固定式高膨張泡消火装置
(コンテナ船カーゴホールド用)
固定式高膨張泡消火装置
(コンテナ船カーゴホールド用)
概要
コンテナ運搬船の危険物を搭載するカーゴホールドに適用できる固定式消火装置としては、規則上、固定式ガス消火装置(消火薬剤:炭酸ガス又は不活性ガス)のみが認められてきていました。
但し、これと同等の保護を与えると主管庁が認める消火装置についても認められるとの記載が規則にあることから、コンテナ運搬船のカーゴホールドにおける固定式ガス消火装置と固定式泡消火装置の同等性評価を行い、同等とみなせる仕様を、IMOの代替設計にかかわる指針(Circ.1102)等に基づく手法で検討し*1、世界で初めてコンテナ船のカーゴホールドにも固定式高膨張泡消火装置を搭載できるようになりました。
*1:検討はカシワテックとClassNKの間で共同研究契約を締結して行われ、研究成果はClassNKのホームページ
(https://www.classnk.or.jp/classnk-rd/report/2017/012.html)に掲載されています。
原理/利点
コンテナ船カーゴホールドの換気ダクトに発泡器を取り付ける装置であり、原理は車両積載区域用の固定式高膨張泡消火装置と同じです。
固定式炭酸ガス消火装置と比較した場合のメリットは以下のとおり。
メリット
- 消火性能が高い(泡の持つ水分に冷却効果があり再発火を防止、コンテナ間の隙間にも泡は入り込む)
- 繰り返し長く保護できる(空容積を5回埋められる分の消火液を持つ。一時停止・再起動も可能)
- 取り残された乗組員が存在したとしても安全である(泡に埋もれても窒息事故は生じない)
- 消火装置作動前に開口部を閉じる必要がない(早期起動)
- 維持管理コストが削減される(基本的には消火液の定期的抜き取り検査のみ)
構成
主に消火液タンク、消火液ポンプ、混合装置、手動/自動弁、発泡器、制御盤 等で構成されます。